できごと徒然
HOME
クリニックのご案内
診察日記
知識の整理箱
患者は今・・・
LINK

No.0061

できごと徒然(61) − 心のお年玉 研修医と過ごした1ヶ月 −

 

 当院は、平成16年から大阪大学の卒後臨床研修の協力診療所として登録しております。大阪大学の卒後臨床研修の一環として、地域保健医療研修プログラムがあり、当院はその地域医療コースに参加しております。
この平成18年1月、初めての研修医が当院での研修を希望して来てくれました。

 卒後2年目の女医の方で、小柄ながら、大変聡明で、また気持ちの前向きな方でした。私や、スタッフ、そして患者様たちとも、すぐに打ち解けて、和やかな雰囲気の中で、研修が始まりました。

 研修にあたり、私は開業医の毎日を見学してもらうことで、開業医はできるだけ患者さんの目線で物を考えるようにしていること、少なくとも努力していること、あるいは病気だけでなくその人の生活にも目を向けていること、などを感じて欲しいと思っていました。また医療設備も知識も限られた個人診療所では患者さんの問題の解決に当たっては、近隣の先生や病院と相談したりして、「地域のなかで」解決していくように努力していることなどを、見て欲しいと思っていました。
 具体的には、こんな病気はあの先生に、あるいはあの病院に相談して、という病診連携になりますが、地域の中には、それぞれ優秀な先生がおられたり、秀でた病院がありますので、それらをどのように結びつけて、患者さんの問題解決にあたるかというのは、それはとても大切な楽しい仕事だと感じています。

 もちろん、自分で対応できる病気は、自分で対応致しますが、、、
1ヶ月の研修期間はあっというまに過ぎていきました。

 日頃は一人で行っている診療の現場ですが、こうして1ヶ月間とはいえ、研修医の先生に来ていただき、毎日の診療に、少しずつ説明を加えながら診療を行うことは、自分にとっても刺激となり、あらためて毎日の診療を振り返るいい機会であったと思います。

 明日からまた大学病院での研修を続けるべく、彼女は当院での研修を終えられました。さわやかに立ち去って行く彼女は、研修を終えるに当たって、当院での感想を書いてくれました。了解を得て、ここに紹介させて頂きます。

 少し面映い気もしますが、今回、街の診療所で彼女が感じたこと、体験したことが、今後の彼女の医師としての長い人生の始まりに当たって、いくばくかの経験になってくれたとしたら、これは望外の喜びであると感じた次第です。

 若い世代の活躍を祈りつつ、当院もまた新しい研修医を受け入れて、成長していきたいものだと感じています。実際、これからの社会にあって、診療所の果たすべき役割は益々大きいことを、研修医は教えてくれたように思います。

 今回の経験は、私にとって初めてでもあり、また優秀な研修医に恵まれたこともあって、私は、「心のお年玉」を頂いたような、とても幸せな気分を経験させて頂きました。
できごと徒然に、残します。


いまい内科クリニックにて地域医療研修を終えて

私は医師の卒後臨床研修の一環として、平成18年1月にいまい内科クリニックにて地域医療を研修させていただきました。

 まず開業医の先生ならではの、患者さんとの距離が近い診察を毎日の外来の中で勉強しました。仕事や子育て、介護といった患者さん一人一人にそれぞれ毎日の生活があります。その中で、様々な症状にどう対応し治療を継続していくかということを、本人や家族と相談し、細部まで行き渡った柔軟な診療だと感じました。疾患としては、腎機能障害、慢性関節リウマチ、高血圧、糖尿病、インフルエンザ、感冒症状、急性腹症、喘息、胃潰瘍、アレルギー疾患など、内科全般にわたっていました。

 また往診にも同行させていただき、在宅医療の現場を見ることができました。
患者さんや家族が先生のことを“私の主治医だ”と強く信頼しており、「何か変わったことがあれば先生に連絡します」という言葉を本当によく耳にしました。

 そして、いまい内科の特色といえば、1日に約20人の患者さんが通院し血液透析をうけていることが挙げられます。週3回、1回4時間の治療ですから、患者さんにとってはまさに生活の一部となっています。しかし透析には、穿刺の痛みや血圧低下による気分不良など様々な症状を伴います。治療をいかに快適に、効果的に行うか、また透析中に諸症状が起こった場合の医療スタッフの、患者さん一人一人に対する柔軟な対応を勉強できたと思います。

 また外来にて、将来的に透析を必要とする患者さんに腹膜透析について説明する席にも同席しました。ビデオや資料を使って時間をかけて説明し、患者さんや家族からの質問に答えることで、患者さんの表情が和らいでいくのを目にしました。「腎不全」と聞き将来に対して大きな不安を感じている所に、透析という患者さんにとっては初めての治療について時間をかけてわかりやすく説明することの重要性をあらためて感じました。

 毎日の診療後に、近隣の老人保健施設・宅老所の見学、宝塚市医師会主催の勉強会、開業医の先生方の勉強会、地域の皆様との活動、関西学院大学の保健室の見学などにも参加させていただき、クリニック内だけでなく、常に新しい知識を求め、開かれた医療を実践しようという先生の姿勢を強く感じました。

 あっというまの1ヶ月でしたが、終わってみれば本当に様々なことを経験できたように感じます。判らないこと、不慣れなことも多く、先生・医療スタッフをはじめ、通院される患者さまにもご迷惑をおかけしたと思います。実際に自分の目で見たこと、経験したこと、感じたことは、本で読むことや人から話を聞くだけのものとは全く違いました。これからの私にとって、貴重な1ヶ月になりました。本当に有難うございました。

 そして大変ご多忙な中、熱心に御指導いただいた今井先生に、心からの感謝を申し上げます。

[ BACK ]
 


お問い合わせ いまい内科クリニック
〒665-0021 宝塚市中州2丁目1-28 TEL 0797-76-5177