できごと徒然
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No.0067

できごと徒然(67) − ツバメが飛んだ −

 

例年、春先になると当院の1階駐車場の軒先に、ツバメが巣をつくる。
ここ何年も、毎年ツバメがやってきては巣作りをしていた。
今年も春先にツバメがやってきて、巣作りをはじめたが、今年は例年とちがって、せっかくできた巣が、2回も落ちるという事件があった。

なんで2回も巣が落ちるのか、最初は分からなかった。
それでも、ツバメは巣作りに励み、たまごを産んだ。
なんでたまごを産んだと分かるかというと、床の上に割れた小さなたまごのかけらが落ちていたからである。ところがそれからしばらく、待てども待てどもヒナの声が聞こえない。
おかしいな、たまごは割れたはずなのに、ヒナの声が聞こえないと思っていたら、どうもカラスに食べられたらしいということが分かった。
駐車場に進入するカラスが目撃されたからだ。

ここで、真相が分かった。原因はカラスだったのだ。
カラスが巣を落とし、孵化したヒナをさらっていったのだ。
インターネットで調べてみると、ツバメの巣がカラスに荒らされた事例が結構報告されている。それらを見ると、光るものにカラスは警戒して、よりつかないことが分かった。

そこで早速、近所のホームセンターに出かけてみると、カラスを追い払うグッズなども結構、店頭に並んでいる。光るモールやら、目玉など、カラスを追っ払うグッズを購入してきた。また、針金で巣を守るように工夫してみた。
最初は、これら光るグッズを見て、ツバメも寄り付かなくなったら、どうしようとか思ったが、幸い、ツバメはこの針金をすり抜けて、ふたたび巣作りに励んでくれた。

いままでの観察によると、私の家のツバメは例年2回たまごを産む。
今回は、1回目は、カラスの襲撃にやられたが、2回目はなんとかたまごが無事に孵化して、ヒナが産まれた。
これは嬉しかった!!

巣は二つあり、それぞれ5匹のヒナが孵った。
しかし、自然は厳しい。カラスの襲撃は避けれたものの、今度は事故である。
ヒナが巣から落ちるのである。
ある日曜日など、3回も落ちたヒナを巣に戻したが、残念ながら2匹は落ちて弱って死んでしまった。自然は厳しい。

それでも、親ツバメは健気に、ひと飛びしてはえさを集め、ピーピーとさえずる仔ツバメに、口移しにえさを与える。
雨の日も、風の強い日も、健気なものである。

エサといっても、昆虫やトンボなどである、こんなもの食べてどうして大きくなるのか分からないが、それでも、仔ツバメは次第に、そしてどのツバメも万遍なく大きく成長するのには驚いた。
毛並みも、黒々と親ツバメに負けないような毛並みとなった、そんなある日、その日を待っていたかのように、ある日、ツバメたちは居なくなった。

飛び立っていったのである。
また来年、元気に戻ってこいよと願いながら、もぬけになった巣をみて思うのである。
ツバメの飛んでいった日、ちょうど7月16日で大きな台風4号が通過したあとだった。晴れ間が覗き、増水した逆瀬川に、カモがやってきた。
記念写真をとっておこう。

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