できごと徒然
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No.0030

できごと徒然(30) −ふらりと高知まで−

 

 1写真11月3日の晴れた日曜日。無性に電車に乗りたくなった。
そして、その電車で思いっきり、南に向かったら どこまでいけるのだろうかと、思い立った。 そして、電車の中で一冊の本をゆっくり読んでみたいと思った。

そこで、急遽JRに乗って、南に向かうことにした。
三宮で、切符を買った。「高知」まで。5700円だった。
なぜか、高知に行って、桂浜に立つ龍馬の銅像を見たくなった。

岡山で、南風号という特急に乗れば、高知までまっすぐに行けることが分かった。
さっそく岡山で駅弁を買い込み、南風号に乗った。
瀬戸大橋をまたいで、四国に向かう。(写真1)。

なんせ、思いつきだから、あまり時間がない。
高知駅に着いたら、早速桂浜に向かった。

龍馬全身龍馬は11月15日が誕生日だそうで、ついでに亡くなったのも同じ11月15日。 今年もその龍馬の誕生日を前に、ちょうど銅像の横にやぐらが組んであって、 銅像の龍馬の顔と同じ高さまで、上がることができる。 (龍馬の全身)

龍馬の銅像の横顔は、意外と優しい顔つきだった。

目の前には、太平洋。
太平洋に面した、弓の弧のような桂浜を 見下ろして龍馬の銅像は立つ。 龍馬と同じ目線で、海を眺める。
龍馬を気取るつもりなど、毛頭ないが、 私は龍馬にはとても魅力を感じる、一人のファンである。

銅像の隣に坂本龍馬記念館なるものがある。(坂本龍馬記念館) 竜をイメージしたような建築で、前方は大きく太平洋に張り出している。

その記念館の先端はガラス張りになっていて、 眼前には、雄大な太平洋が広がっている。(太平洋)

記念館の入り口に、司馬遼太郎が寄せた文章がある。 いわく、、
「メッセージ、銅像還暦に寄せて。」

龍馬記念館銅像の龍馬さん、おめでとう。
あなたは、この場所を気に入っておられるようですね。
私もここが大好きです。
世界じゅうで、あなたが立つ場所はここしかないのではないかと、 私はここに来るたびに思うのです。
(中略)
この地が空間として美しいだけでなく、
風景そのものがあなたの精神をことごとく象徴しています。
(中略)
「遠くを見よ。」
あなたの生涯は、無言に、私どもに、そのことを教えてくれました。
いまもそのことを諭すがように、あなたは渺茫(びょうぼう; 原文は水が三つ重なった字で、びょうと読むようです。) たる水のかなたと、雲の色をながめているのです。 、、、、、、、

太平洋文章の後半は、難しい表現なので、あまり頭に残っていませんが、 なんといっても、文頭の文章が印象的です。
まったく竜馬には、この場所が良く似合う気がします。

今、ふらりの旅を思い起こせば、
あの記念館のデッキから眺めた、大きく視界の開けた太平洋が 頭の中によみがえります。

なんか心の中が、大きくなったようで。
一日かけて、土佐の海を、龍馬の望む海を見に行った 甲斐があったような気がします。

平成14年11月3日 記。

No.0029

できごと徒然(29) −禁煙指導 高橋裕子先生との出会い−

 

 先日、宝塚市民病院で禁煙指導の勉強会がありましたので、 当院に新しく来てくださった看護婦さんと勉強会に参加してきました。

この看護婦さんには、主として、外来にて通院される患者様の 指導(インスリン注射の指導や、禁煙の指導など)あるいは がんや難病で通院される患者様には、ゆっくりとお話を聞いて頂く ”聞き取り役”などを担ってもらおうかと思っていますが、 ともかくその看護婦さんと勉強会に行ってきました。

演者は、インターネット禁煙マラソンで有名な高橋裕子先生です。
大和高田市立病院の内科医長の時代(1994年)から始められたとのことですが、その活躍が認められて、現在は京都大学や、奈良教育大学の教授などの職務を担っておられます。
一度お話を伺ってみたいと思っていましたが、こんなに身近で聞ける機会がありましたので、出かけてきました。

高橋先生は、思いのほか小柄な先生でした。 しかしパソコン片手に、話し始めるやよどみなく、 口から飛び出す言葉は驚くほどの迫力でした。 喫煙という、人の嗜好や習慣にかかわることを指導して、禁煙に導くのですから、 人間というものをよく理解されていないといけないのでしょう。 先生の講演を聴いていて思ったのは、この点でした。

単に、喫煙をいさめ、禁煙しなさいと言うだけでなく、その人を理解すると同時に、人間一般の考え方、行動のパターンなども知り、先回りして対応する、、 といった小柄でかわいらしいとも言える(?)先生の姿と、 マインドソルジャーといった一面が重なりました。

講演は圧倒的な迫力で終わりました。
何でも徹するというのはすごいことです。 しかも、どうも先生のお話を伺っていると インターネット禁煙マラソンにかかわっているのは、 ボランテイアを含め数百人の規模の模様です。 深夜に飛び交う、電子メールを利用しての禁煙支援はなるほど一人では、実行不可能です。

これだけの人間を動かす、チカラ。
すごいことができるんだなと、思いました。

しかし、禁煙は、これからますます重要な健康作りのテーマに なっていくでしょう。 当院も地域の健康づくりを支援する立場から、 この禁煙支援に協力したいと思っています。 高橋先生のような、インターネットマラソンは不可能にしても 当院でできる範囲で取り組んでみたいと思っています。

高橋先生と、名刺交換をして御挨拶させていただきました。

No.0028

できごと徒然(28) −音声認識ソフト−

 

 先日、ミドリ電化で音声認識ソフトというものを、衝動買いしてしまいました。
IBMのVia Voice ver9 と言います。

この文章はその認識ソフトで書いています。
改行するときも音声コマンドでできます。
まだまだ使いこなせていませんが、学習機能もついており、もう少し使いこめば、かなり実用的になるのではないかと思います。

しかし、マイクロホンに呼びかけるだけで、文字が自動的に打ち込まれるなんて、まるでSFの世界であったことが、現実のものになっているのですねぇ。 これだけの識字率があれば、かなりの仕事に応用できると思います。
音声認識は充分に実用化の域に、近づいているのではないでしょうか?

ワードや、Excelなどのアプリケーションにも、ダイレクトで音声入力が可能です。
ご興味のある方はお使いになってみたらいかがでしょうか。

とは言いますものの、いままで文章はキーボードから打ち込んだものを目で見て、確認して、同時に推敲していくのが、私なりの文章の作り方というか、 この操作で同時に考えをまとめることができました。

音声認識だと、考えがまとまる前に文章ができていっています。

思考パターンが変わりそう。
なかば驚きをもって、このソフトを紹介します。

No.0027

できごと徒然(27) −神戸JAZZ STREET −

 

 さわやかな秋晴れの日曜日。
今日は、神戸ジャズストリートに出かけてきました。
今年で21回目だそうです。JAZZ MUSICIANが神戸だけでなく、日本中からそして海外からも 集まります。

実は、私は音楽はすっかり駄目です。 思いおこせば、中学校の時、音楽の試験で100点満点の4点をとったことが、 深いコンプレックスとして今も残っています。 自分は音楽がだめだ、といった気持ちが、いまもずっと残っています。

ですから、休日の時間の過ごし方も主として体を動かすことに熱心で、 読書や、音楽を聴くなどといった静かな趣味にはほど遠い毎日です。  

でも最近、秋だからでしょうか? 音楽が聞きたいなとなぜか無性に思うときがありました。
ふとした折に患者さんにそんな話をしていたところ、 その患者さんが神戸ジャズストリートがあることを教えてくれました。  

わたりに船とばかりに、その方、といっても70歳近いおじいさんですが、 にお願いして、案内して頂くことにしました。

最初は神戸オリエンタルホテルのバーで大塚善章トリオと片岡学さんのトランペットを聞きました。 聴衆はほとんどが40代から50代ぐらいの年配の方ばかりでした。 若い人もこんな素敵なものもっと聴きに来ればいいのに、、  

ジャズというと夜のイメージがありますが、秋晴れの昼下がりの薄暗いバーの一室で、 ビールを片手に聴くジャズはとても心地よいものでした。 ベテランミュージシャンの後ろ姿は力みがなく、指は鍵盤の上を自由に行き渡り、奏でる音は歌声のように耳に届きます。 片岡さんも静かな姿から、はじき出されるようなトランペットの音がさわやかに響きます。  

ジャズストリートは前売りのチケットを胸につけると、16カ所の会場を自由に回ることができます。
これで4000円はおとく。  

次の会場では秋沢一さんというクラリネット奏者を紹介してもらいました。
本職はお医者さんだそうです。クラリネットから鮮烈な音がはじき出され、耳に残りました。
オランダからの飛び込みのトロンボーン奏者も参加して、にぎやかなセッションが繰り広げられました。  

途中で北野坂のインド料理屋でチキンカレーを食べました。
サフランの香料の効いた本格的なインドカレーでした。

最期は女性ボーカルを聞いて、しっとりと終わりました。  

めったに聞くことのない音楽ですが、秋晴れの1日、ぶらりぶらりと坂を歩きながら、散歩して、お気に入りのスポットで、生のジャズの音に包まれてとてもリッチな気分で過ごしました。

やっぱり神戸はおしゃれです。
来年は家族で聴きにきたいと思いました。

 

No.0026

できごと徒然(26) −夏休み−

   郡上おどり金曜日の仕事が終わってから、車で名神を飛ばしました。
群上八幡まで一走り。美濃の奥地、長良川のほとりにひっそりとした郡上八幡の町がたたずんでいます。おどりと鮎つりで有名な町です。(郡上おどり)

川を見下ろす小高い山の上に、お城がありました。
お城の高台からは、町並みが見下ろせます。 霧にけぶる郡上八幡の町並みは、かなりレトロな雰囲気でした。 (天守閣から1,2)

それから、北へ向かいます。
白川郷の手前で、白山国立公園とかかれた標識があり、 白山への登山口になっているようです。 山岳道にはゲートがしてあり、さながら上高地への入り口のようです。
露天風呂があるような標識でしたので、 この山岳道をたどり、湖畔に到達しました。(大白川温泉) 露天風呂は写真に撮ることがはばかられましたが、 この美しい湖を見ながらの、お風呂はよかったです。

天守閣からついで、白川郷の入り口で、遠山家と書かれた重要文化財の合掌つくりを拝見しました。
丁寧に掲示されていて、合掌つくりの構造やら、当時のこの家屋の中で生活された、大家族の様子などがわかって興味深かったです。
豪雪の山奥で、雪の重みに負けないように、この構造ができあがったこと。

雪深い季節には、2階や3階の窓から出入りできるようになっていること。
1階にかまどを置き、2階、3階の床は格子にして、かまどの暖かい空気が 2階、3階を暖房するように。またいぶすことで茅葺屋根の防腐効果が得られるなど、生活の知恵が生み出した構造であることがわかりました。
なるほど世界遺産と呼ぶにはふさわしいと思いました。(合掌つくり)

合掌つくりしかし、有名な白川郷は、「原宿状態」で、俗っぽく観光化していました。
山間の農村に、観光化するなというわけではありませんが、文化を創り出すのも人間であれば、文化を破壊するのも人間であるというのは罪深いことです。

さらに北へ。
最近は、町おこしブームとかで、あちらこちらに温泉施設があります。 ゆーゆーランドとかなんとか、、。くろば温泉とか言う施設で、入浴しました。 ここも湖のほとりで、緑の湖面がきれいでした。
皆さん、入浴された後は、休憩室という大広間でゴローンと横になっておられます。

温泉でくつろいだ後、おいしいものを食べて、ゴローンとするというのは、やはり快楽、悦楽なんですね。
宮崎 駿の「千と千尋の神隠し」の冒頭のシーンを思い出してしまいます。
わたしも同じように、しばしゴローンとして、 また北へ。

立山連峰富山に入り、井波という町に立ち寄りました。
ここは木工彫刻で有名で、ちょうどらんま展が開催中でした。
このあたりは、散居村といって、ひとつひとつの住居の周りに農地が広がっています。あまり囲いがなくて開放的な風景です。

さらに北へ。
今日の宿泊地の、氷見に向かいます。
氷見は名高い漁港で、新鮮な魚のことを「キトキト」と いう言葉で表現します。この氷見から海岸線を眺めると、富山湾越しに、立山連峰が望めます。 雨晴海岸が有名ですが、海越えに屏風のような立山連峰が 望める景観は、絵になる景色です。(夕焼けの立山連峰)。

緑の言葉万葉の歌人、大伴家持が大いに愛でたそうです。 今日のお宿は、岩井戸温泉グランドホテルマイアミとのことですが、なんやら変な名前と思いましたが、 温泉はとても良かったです。
食事もおいしくて、満足しました。 なにやら社長は元は漁師さんとか、、

最後の日は、例によって、朝風呂を浴びて行動開始。
ホテルから少し離れた高台に、源泉を引いた湯屋がありました。 そこの壁に飾ってあった言葉。「縁について」の言葉です。 私が、ここにこうしてあるのも、なにやら縁という言葉以外では 表現できないような気持ちで、大いに納得、私も心から今日あることに感謝致しました。(縁の言葉)。

それから、高岡に戻り、万葉記念館に立ち寄りました。
万葉集の最終編集者の大伴家持が、青年時代にこの高岡に身を寄せたことから、高岡市は「万葉の郷」というイメージを創ろうとしているみたいです。

瑞龍寺ついで瑞龍寺へ。
「利家とまつ」が放映中ですが、その2代前田利長公の菩提を弔うために3代義弟利常により造られたものだそうです。
禅宗風の寺院ですが、端正な美しさ。木造建築ゆえに木目をたくみに利用する造形の妙。
選び抜いた良質の木材。仏殿の屋根は白く光る鉛葺きとか。
隅々まで、配慮された完成度の高さを感じさせました。
また、管理も整然と無駄なくされていました。内庭に敷き詰められた芝生の緑が美しかったです。久しぶりによいものを見たナという感じ。
京都であらずとも、地方都市でもこれだけの文化遺産が残っていることを知り、日本も広いものだと感じました。(瑞龍時)。

棟方志功記念館最後は、福光という町で、棟方志功の記念館に寄りました。(棟方志功記念館)。
志功は、戦後この富山の小村に疎開していたとこのこと。 ここに鯉雨画斎という庵を建て、(正確には柳宗悦の口利きで、地元の女医の援助で、建ててもらい)画業に勤しんだようです。
小さな庵でしたが、厠の四面、天井にまで、あの志功の観音様を描いた独特のデッサンが奔放に書きめぐらしてあるのが圧巻でした。
小さな屏風があり、そこには志功をめぐる人々が、庵の新築祝いに立ち寄り、サインを残しています。大原總一郎、柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司、などなど、、
日本の民芸運動の復興に尽力した、有名人がこの田舎町の小さな庵の完成に立ち寄ったかと思うと、ちょっと感動しました。

福光周辺は、日本有数の米どころ、秋の収穫を控え、あおあおとした稲が風にそよいでいました。 緑のじゅうたんの中を、高速道に乗り、帰宅の道に向かいました。
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